胸腔鏡・腹腔鏡検査
内視鏡下検査とは
内視鏡(胸腔鏡、腹腔鏡)下検査とは、3mm、5mmなどのトロッカーといわれるカニューレを体腔内に刺入し、それを介して細い硬性内視鏡や専用の生検鉗子などを挿入して、小さな傷で体腔内の観察、検査(生検など)を行うものです。
血液検査などで異常を認めていても、確定診断に至ることができない。そんな時に、内視鏡下検査は、最小限の動物への負担で、実際の病変を内視鏡下で観察し、生検を行い、確定診断に至ることができます。
手術室
3mmのトロッカー
手術の様子
内視鏡下検査の特徴
- 動物への負担が少ない
- ご家族が検査を受け入れやすい
- 確定診断を得ることができる

- きわめて少ない負担で病変の確認ができる
- 試験的開放手術の必要がない
内視鏡下検査の適応
- 胸部
肺、心嚢膜、胸膜、腫瘍性病変の生検、評価 - 腹部
肝、膵、副腎、脾、腸、腎、膀胱、生殖器、腹膜、腫瘍性病変の生検、評価
内視鏡下検査の手順



内視鏡(細い硬性鏡)や生検鉗子をトロッカーから挿入し、お腹の中の観察を行い生検を行います。


適応症例のご紹介
各種検査により、肝臓に何らかの異常を認め、根拠なく内服薬と処方食を処方していることは少なくありません。腹腔鏡下で肝生検を行い原因を究明し、納得のいく診断治療を行うことができます。
血液検査、X-R検査、超音波検査の結果、肝臓に異常を認める症例に対し、確定診断を行うために、2~3か所の3~5mmの傷で、肝生検を行います。
的確な部位を内視鏡下で観察し十分な組織量を採取することができます。組織の培養検査、金属定量、胆汁の採取なども行うこともできます。
避妊手術など他の手術と同時に、同じ小さな傷で行うこともできます。
非特異的な症状を示す猫の膵炎を疑う場合、できるだけ動物の身体の負担を少なくして膵臓の生検を行うことができます。
血液検査、X-R検査、超音波検査の結果、膵臓の病変を疑う症例に対し、確定診断を行うために、2~3か所の3~5mmの傷で、膵生検を行います。
内視鏡下で観察し十分な組織量を採取することができます。犬や猫の膵臓の生検を行っても、検査後に膵炎などの合併症の危険性はないと報告されています。
関連する他の臓器の観察、生検も同時に同じ小さな傷で行うことができます。
消化管内視鏡検査では診断が得られない症例に対して、腹腔鏡を用いた小腸の全層生検を行うことができます。
消化管内視鏡は、粘膜層の生検を得意としますが、深部の組織までの生検は不得意です。
それによって炎症性疾患やリンパ腫などの一部の腫瘍性疾患に有効ですが、組織量が少ないことから診断に至らないこともあり、深部に発生した腫瘍の診断が必要な場合においては、腹腔鏡を用いた小腸の全層生検が有益となります。
消化管内視鏡では、どうしても届かないことがある空腸や回腸、また、十二指腸が著しい肥厚により狭窄し生検が不可能な場合、腹腔鏡を用いた小腸の生検が有益となります。
関連する臓器の観察や生検を始め、腹腔内全域の観察を行うことができます。
腎性の血尿やタンパク尿、腫瘍を疑う症例に対し、腹腔鏡下での腎生検を行うことができます。
腹腔内に異常病変の存在を疑い、試験的開腹手術を勧めるが、動物の身体に負担が大きく、ご家族も受け入れがたい状況にある場合、腹腔鏡下で腹腔内全域の観察を行うことができます。
3~5mmの傷で、腹腔内の観察を行います。ご家族にその映像を見て頂き、ご納得を頂いたうえで次の治療計画を立てることができます。
手術適応であれば、腹腔鏡下もしくは、開腹手術にて治療を行うことができます。
残念ながら、手術をする価値が認められないなら、身体への最小限の負担で行うことから、もう一度ご家族との時間を自宅にて過ごさせてあげれる可能性を増やすことができます。
胸部疾患も同様に胸腔内を小さな傷で観察することができます。
肺葉に異常があるが、他の検査では診断がつかないのでより多くの組織を採取して診断を行いたい。
気管支洗浄や、針生検では診断がつかなかった肺病変の診断を行うために胸腔鏡検査は有用です。
3mm、5mm、12mmといった傷で、病変部の生検し、診断を得ることができるようになります。
必要な場合は、肺葉の病変部を含んだ切除生検を行います。
もちろん、肺葉以外の腫瘍性病変、胸膜などの生検も行うことができます。







